ガス置換包装に窒素や二酸化炭素などが活用

プラスチック包装材が主流となる現代の食品包装でも、不具合対策の基本となるのは「元を断つ」という考え方で、そこから生まれたのが「無菌包装」であり併用される「ガス置換包装」という技術です。食品の腐敗をもたらす原因には、「好気性細菌」と呼ばれる細菌などが知られていますが、これら細菌の活動に不可欠な酸素を無くすとともに、代わりに食品に無害なガスに置き換えるという発想に基づく技術です。使われるガスとしては、不活性ガスとなる窒素(N2)や二酸化炭素(CO2)のほか、特殊な用途に限られますが酸素(O2)もその一つとなっています。通常、これらのガスは使われる被包装材によって単一あるいは混合という使い分けが行われています。空気中で体積比8割近くを占める窒素は、単独では殺菌作用はないものの、食品に無害なうえ無味・無臭などの性質が好まれ、酸化や変色の防止や香り保存といった面で活躍しています。

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