食品包装に不可欠のプラスチックフィルム

多種多様な食品の包装用として多方面に使用されているプラスチックフィルム。例えば思いつくままに挙げただけでも、レトルト食品、スナック菓子、煎餅や海苔、ふりかけ、削り節、みそ、各種タレ、辛子、冷凍食品、保香食品、コーヒー、スープ、デザートカップの蓋、ボイルレトルト食品のバリアー材、家庭用ラップ、コメ・砂糖・塩などの重量包装物など枚挙にいとまがないほど各分野で多用されており、その存在感は計り知れません。

OPP袋をはじめこのような食品包装に無くてはならないプラスチックフィルムですが、その歴史は案外新しいことに驚かされます。日本へ入ってきたのが1960年代初めと言われており、それは現在最も使用が多い二軸延伸ポリプロピレンの重合技術導入時期を指しますが、以降量産として技術が確立していったのが数年後の1960年代後半と言われています。

まさに食品包装が食品加工技術と包装技術の融合により初めてなしえる今日の食品包装の礎を築いていった時期と言っていいかもしれません。ここでプラスチックフィルムはじめアルミ箔、布など柔軟な素材で物を包むことを「軟包装」とよく呼ばれていますが、さらに特性の異なるフィルムを張り合わせた「ラミネート」加工した複合フィルムとして使用されるのが一般的となっています。

また、プラスチックフィルムの製膜法には、「溶液法」、「溶融法」そして「カレンダー法」とい3種類が存在しています。ちなみに溶液法というのは溶媒を使って液状にして膜を作っていくもの、溶融法は高温に加熱して素材を軟化させてフィルムにしたり各種形状に加工していくもの、カレンダー法は加熱された何本ものロールの間に樹脂を練りながら溶かしていき所定の厚さまで引き延ばすという製法をいい、軟包装のほとんどがこの3種のうち溶融法が主流となっていると言われています。

きっかけはナポレオンから

18世紀後半に始まった蒸気機関の発明による産業革命に遅れること1世紀あまりで、食品包装用容器技術が確立されていったと言われています。

これは食品を長期保存するため必要な缶や瓶に密封して、殺菌するという技術です。もともとそれを可能にした理論的裏付けとして、当時言われていた微生物等の生命の自然発生説を覆す微生物は微生物から生まれるという実験による立証が大きく影響したとされています。食品も調理法はじめ殺菌や滅菌の処理という食品加工技術確立と缶詰や瓶詰という包装技術向上でようやくできることでした。

以降、次々と食品包装容器技術が開発されていったと言われています。特に缶詰等の製造技術向上が大きく影響しているというのが大方の見方です。その発端が何と、かの宰相ナポレオンと言われると興味津々です。

伝えられるところでは、ナポレオンが当時軍用食品の長期保存方法を開発した者に多額の懸賞金を与えるとしてアイデアを募ったところ、それに応じた二コラ・アペールというフランス人が提案したガラス瓶を使った方法が最初と言われています。

これは、瓶詰めした食品をコルクで栓をし、煮沸加熱するという方法で可能にする、というものでした。

ブリキ缶の発明

食品包装用として現在使われている成型容器のなかで発泡プラスチック容器というものがあります。ここで少しこの容器についてご紹介していきたいと思います。

この容器は、プラスチックシートを製造している段階で発泡剤を入れることで泡状にしたプラスチックで作られた容器で、軽量で断熱性や保温性にも優れた容器として、水産物流通用大型容器として、あるいは酒やワインといったアルコール類のケースに、アイスクリーム用保冷容器として、更に農産物の輸送用容器など幅広く使用されており、物流にはなくてはならないプラスチック容器として重宝されています。

ちなみにプラスチック容器用素材としては、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PPF(フィラー入りポリプロピレン)、A-PET(非結晶ポリエチレンテレフタレート)そしてPLA(ポリ乳酸)の5種類が多く使われています。

これらはそれぞれの素材の特徴を生かした使われ方で食品用容器として重宝されています。そのほか現在使われている食品包装用成型容器としてバイオマスプラスチック容器というものがあります。

この容器はトウモロコシなどを原料としたもので、サラダパックやカットフルーツパック用から鶏卵用パック、イチゴパックなど透明容器としてよく知られているもので、原料となる植物系素材を使用して環境にやさしい包材として、以前はレジ袋がメインでしたが、時代背景による要求から少しずつその使用範囲が広まってきています。

ちなみに従来から使用されているプラスチック容器向け素材としては、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PPF(フィラー入りポリプロピレン)、A-PET(非結晶ポリエチレンテレフタレート)そしてPLA(ポリ乳酸)の5種類が主に使われています。

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