食品と酸素は、良きにつけ悪しきにつけ深く関わっている、切っても切れない関係と言っていいでしょう。野菜などの青果物は呼吸しているため酸素供給が必要ですが、ほとんどの食品保存に酸素は無いに越したことはありません。そこで、食品包装では如何に外気中の酸素を遮断できるか、あるいは包装内に残った酸素を如何に低減していくかが大きな課題となっています。食品内の成分が酸素と反応して「酸化」が起こると、腐敗や変質といった商品価値を落とすことにつながることが多く、また食品中や包装中に入り込んだ微生物にとっても酸素は必要とされ活動を活発化させてしまいます。そのため考えられた方策が、酸化防止剤の添加であり、脱酸素剤の活用でした。さらに、ガスバリアー性の優れた包材の使用があり、酸素を不活性ガスと置き換える窒素置換包装や、被包装物への密着包装、そして脱酸素剤の封入です。